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by k_m_c

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サインバルタ

来週月曜より処方が可能となる新規抗うつ薬のサインバルタ(一般名;デュロキセチン)について少し書いてみます。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)に分類され、その再取り込み阻害が強く、バランスがとれているという薬理学的プロフィールを有する薬剤です。(引用;臨床精神薬理 13:435-462、2010)
さらに動物実験においては前頭葉皮質において細胞外のセロトニン、ノルアドレナリンのみならずドーパミンも増加させることが示されております。前頭葉皮質ではドーパミントランスポーターが少なく、ノルアドレナリントランスポーターを介して、交叉性に取り込まれることが知られており、これがドーパミンの再取り込みを阻害すると考えられています。ドーパミンは認知、情動、欲動などと関係しており、うつ病治療にも大きく関わっていると考えます。(引用:臨床精神薬理 13:435-462、2010および臨床精神薬理 13:463-475、2010)

昨夜は診療終了後にサインバルタに関する講演会へ出席してきました。
Glenda MacQueen先生(カルガリー大学)のお話の要点を記してみますと、
・低用量からでもバランスの取れたSNRIである。(ベンラファキシン(日本では未承認)は150mg以上の高用量でないとSNRIの作用を示さない。三環系抗うつ薬は副作用による忍容性の問題がある。)
・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と同様の不安改善効果。
・痛みやうつの身体症状などへの効果がある。(海外では線維筋痛症への適応あり。)
・SSRIよりも抗うつ効果が強い。特に重症のうつほどSSRIとの差が大きい。
・一番出やすい副作用は吐き気(軽度23%、中等度13%、重度2%)である。しかし1週間ぐらいで改善していくことが多く、2/3ほど(62%)は吐気は認められなかった。何かを食べてから服用することで対処しやすくなる。

以上のような感じですが、新しい治療選択肢が増えることは良いと思います。
引き続き精進していきたいと思います。
by k_m_c | 2010-04-15 06:11 | 治療薬情報