精神科における最新の治療薬情報や僕の独り言を書いてます・・・
by k_m_c
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日本臨床精神神経薬理学会二日目
めっちゃ遅なりました・・・・
二日目は雨の中ランニングをして、朝一から夕方のポスターセッションまで出席してきました。
いろんな講演、セミナー、ポスター発表などで勉強をさせていただきましたが、私的に二日目の一番はニューロサイエンス(神経科学)の超ビッグネームの中西重忠先生(大阪バイオサイエンス研究所)の「基底核神経回路の情報処理と制御」でした。
中西先生は私がうだつの上がらない神経科学研究者を長年やっていた頃からよく知っておりましたが、久しぶりにお話をうかがいました。
簡単にまとめますと・・・
・基底核とは大脳の中心部にあり、線条体(被殻、尾状核)、黒質、淡蒼球、扁桃核などからなり、運動調節機能と認知機能として報酬行動(好ましいものを求める)、忌避行動(不快なものを避ける)、報酬か忌避か選択する機能、さらに習慣化(報酬が継続的に得られた時の自律的な行動)と報酬と忌避の行動を支配する部位である。
・大脳基底核機能において、運動面が障害されるとパーキンソン病が発病し、認知面が障害されると薬物依存症が発症する。
・正常マウスと側坐核(腹側線条体に含まれる)アセチルコリン産生細胞を除去したトランスジェニックマウスにコカイン(ドーパミンの取り込み阻害によるドーパミン上昇)、モルヒネ(ドーパミンの放出を高める)を投与し、さらにその前処置としてアセチルコリン分解酵素阻害薬(ドネペジル=アルツハイマー病治療薬の「アリセプト」)したりするという実験を行った。結果としてはのアセチルコリン細胞を除くとコカイン、モルヒネに対しての感受性が顕著に高まり、逆にアセチルコリン分解酵素阻害剤ドネペジル投与によってアセチルコリンを上昇させると薬物依存症が顕著に抑えられること、さらに予め側坐核のアセチルコリンの産生細胞を除いておくとドネペジルの抑制作用が消失することが判った。よって側座核に局在するアセチルコリンが運動制御のみならず薬物依存症にみられる神経の可逆性にも重要な役割を果たしていることを示された。
この発表を聞きまして、「薬物依存の止められない人がアリセプトを服用するとどうなんやろか?」と興味を持ちました。
折しも当日帰宅してテレビを見てますとコカイン所持で逮捕された元歌手の何とも言えない姿が放映されていました。
彼もカムバックした時は「もう二度と薬物には手を出さない」と言っていたはずです。でも逮捕されたの何度目になるのでしょうか?
このように薬物使用により大脳基底核機能が損なわれてしまうと、逮捕されて社会的地位を失うリスクを考えて忌避するより、薬物によって得られる快感という報酬を選んでしまうことを繰り返します。
薬物というのはこのように脳の機能を変化させてしまいます。
その恐ろしさをこれからの若い世代の人に是非知ってもらいたいと思います。
先日ある患者さんが池上彰氏の本を読んだということ話されており、以前より興味を持っていた私も早速2冊(「わかりやすく〈伝える〉技術 講談社」、「相手に「伝わる」話し方 講談社 」)読んでみました。
なかなか難しい話を判りやすく説明するのは難しいですよね。
いつも患者さんに「先生のブログは難しい・・・」と言われちゃいます。
これからも精進したいと思います。
さて今夜は大学医局の集まりで2名の先生のお話を聞いて勉強してきます。
二日目は雨の中ランニングをして、朝一から夕方のポスターセッションまで出席してきました。
いろんな講演、セミナー、ポスター発表などで勉強をさせていただきましたが、私的に二日目の一番はニューロサイエンス(神経科学)の超ビッグネームの中西重忠先生(大阪バイオサイエンス研究所)の「基底核神経回路の情報処理と制御」でした。
中西先生は私がうだつの上がらない神経科学研究者を長年やっていた頃からよく知っておりましたが、久しぶりにお話をうかがいました。
簡単にまとめますと・・・
・基底核とは大脳の中心部にあり、線条体(被殻、尾状核)、黒質、淡蒼球、扁桃核などからなり、運動調節機能と認知機能として報酬行動(好ましいものを求める)、忌避行動(不快なものを避ける)、報酬か忌避か選択する機能、さらに習慣化(報酬が継続的に得られた時の自律的な行動)と報酬と忌避の行動を支配する部位である。
・大脳基底核機能において、運動面が障害されるとパーキンソン病が発病し、認知面が障害されると薬物依存症が発症する。
・正常マウスと側坐核(腹側線条体に含まれる)アセチルコリン産生細胞を除去したトランスジェニックマウスにコカイン(ドーパミンの取り込み阻害によるドーパミン上昇)、モルヒネ(ドーパミンの放出を高める)を投与し、さらにその前処置としてアセチルコリン分解酵素阻害薬(ドネペジル=アルツハイマー病治療薬の「アリセプト」)したりするという実験を行った。結果としてはのアセチルコリン細胞を除くとコカイン、モルヒネに対しての感受性が顕著に高まり、逆にアセチルコリン分解酵素阻害剤ドネペジル投与によってアセチルコリンを上昇させると薬物依存症が顕著に抑えられること、さらに予め側坐核のアセチルコリンの産生細胞を除いておくとドネペジルの抑制作用が消失することが判った。よって側座核に局在するアセチルコリンが運動制御のみならず薬物依存症にみられる神経の可逆性にも重要な役割を果たしていることを示された。
この発表を聞きまして、「薬物依存の止められない人がアリセプトを服用するとどうなんやろか?」と興味を持ちました。
折しも当日帰宅してテレビを見てますとコカイン所持で逮捕された元歌手の何とも言えない姿が放映されていました。
彼もカムバックした時は「もう二度と薬物には手を出さない」と言っていたはずです。でも逮捕されたの何度目になるのでしょうか?
このように薬物使用により大脳基底核機能が損なわれてしまうと、逮捕されて社会的地位を失うリスクを考えて忌避するより、薬物によって得られる快感という報酬を選んでしまうことを繰り返します。
薬物というのはこのように脳の機能を変化させてしまいます。
その恐ろしさをこれからの若い世代の人に是非知ってもらいたいと思います。
先日ある患者さんが池上彰氏の本を読んだということ話されており、以前より興味を持っていた私も早速2冊(「わかりやすく〈伝える〉技術 講談社」、「相手に「伝わる」話し方 講談社 」)読んでみました。
なかなか難しい話を判りやすく説明するのは難しいですよね。
いつも患者さんに「先生のブログは難しい・・・」と言われちゃいます。
これからも精進したいと思います。
さて今夜は大学医局の集まりで2名の先生のお話を聞いて勉強してきます。
by k_m_c
| 2010-09-25 16:45
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